東京都文京区千駄木 アトリエ坂を下って、すぐ左手に公園の入り口があります。
訪れる人々に憩いと癒しを提供する自然に囲まれた美しい公園。
特色あるスポットが点在し、四季折々の風景が楽しめます。

文京区立須藤公園とは

東京都文京区千駄木に位置する「文京区立須藤公園」は、加賀藩支藩の大聖寺藩の屋敷跡です。
その後、政治家である品川弥二郎の邸宅として利用され、1889年に実業家の須藤吉左衛門が購入。
1933年には須藤吉左衛門の寄付により、東京市に寄贈されました。

鯉のぼり
クリスマスイルミネーション

公園内には、中ノ島に弁財天が祀られています。
また、「須藤の滝」と呼ばれる滝も公園内にあり、午前10時から午後4時まで水が流れるとのこと。
興味深いのは、「かっぱに注意」という看板と「命名 への河童」という石碑があることです。

須藤公園の池は“都市の野鳥スポット

須藤公園の池は、都市の中にありながら水辺の環境が整っていて、白鷺(シラサギ)の仲間が立ち寄りやすい場所です。
浅瀬や石組みの縁は、小魚や水生昆虫が集まりやすく、サギ類にとっては“狩り場”になります。

黄色い靴下がトレードマーク「コサギ」

池の浅瀬を小刻みに歩き回っていたのは「コサギ」です。

見分けポイント:

  • 足先が黄色い: まるで黄色い靴下を履いているような姿が最大の特徴です。
  • 黒いクチバシ: 一年中、シャープな黒色のクチバシをしています。
    動画では、足を震わせて水底の獲物を追い出す「足踏み」というユニークな行動も見せてくれました。
コサギ

優雅で堂々とした佇まい「ダイサギ」

一方で、岩の上でじっと動かずに水面を見つめていたのは、一回り大きな「ダイサギ」でした。

見分けポイント:

  • 長い首: 首が非常に長く、休んでいる時は「S字」に曲がっているのが特徴です。
  • 冬はクチバシが黄色い: この時期のダイサギは、クチバシが鮮やかな黄金色(黄色)をしています。
ダイサギ

都会の真ん中で「生きた芸術」に出会う贅沢

文京区千駄木という都会の真ん中にありながら、豊かな自然と歴史を感じさせてくれる須藤公園。

そこで出会ったコサギとダイサギは、まるで水辺に降り立った生きた彫刻のようでした。皆さんも谷根千散策の際には、ぜひ須藤公園の池を覗いてみてください。運が良ければ、真っ白なお使いがあなたを待っているかもしれません。

須藤公園は自然と歴史が交錯する場所であり、訪れる人々に様々な楽しみや癒しを提供しています。
自然の中でのんびりと過ごしたいときに、ぜひ訪れてみてください。

睡蓮と半夏生、鳥の声に包まれる池のほとり

池のほとりを歩くと、まず目に入るのは水面に広がる睡蓮の葉。
季節になると白い花も咲き、水辺らしい涼やかな景色を見せてくれます。

睡蓮

水辺には半夏生も群生しています。
半夏生といえば、葉の一部が白く染まる姿が特徴ですが、ここで見かける葉は、まるで全体がお化粧をしたように真っ白。
思わず「半夏生というより、全化粧ですね」と声をかけたくなるほど、印象的な姿をしています。

半夏生

以前は池のほとりでコサギなどのサギ類を見かけることもありましたが、最近はその姿を見る機会が少なくなりました。
その代わりに、ハトやスズメ、カラスたちがのんびりと羽を休めています。池の中には悠々と泳ぐ鯉の姿があり、天気の良い日には亀たちが甲羅干しをしていることもあります。

ハトの水浴び

鳥の姿が少ないなと思ったときは、ぜひ耳を澄ませてみてください。
見上げるほど高い木々の梢から、ヒヨドリたちの賑やかな鳴き声が降ってきます。姿は葉に隠れて見えなくても、音が「ここには自然が残っているよ」と教えてくれるようです。
目を閉じてその声を聞いていると、ここが都心であることを一瞬忘れてしまいます。

また、豊かな自然が残されている証拠なのか、運が良ければ、あるいは人によっては少し驚くかもしれませんが、茂みから蛇がひょっこり顔を出すこともあります。
そんな出会いも含めて、自然が身近に息づいている公園なのだと感じます。

池にせり出すように建てられた弁財天の赤いお堂と赤い橋も、この公園らしい風景のひとつです。
かつてはそこに白いコサギが舞い降り、赤と白が重なる、どこか縁起の良い景色を見せてくれました。

ところが最近、その赤いお堂の屋根を堂々と陣取っているのは、なんとカラスたち。
神聖な雰囲気のはずが、少しだけ不吉なオーラも漂っていて、そのギャップに思わず笑ってしまいます。

きれいな水生植物、のんびり泳ぐ鯉や亀、頭上から聞こえるヒヨドリの声、そしてお堂の屋根のカラスたち。
飾りすぎない、地元の公園ならではの自然と日常が、ここには残っています。

アクセス

  • 所在地:東京都文京区千駄木3-4
  • 最寄り駅:地下鉄千代田線「千駄木」駅徒歩2分

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千駄木・谷中でアップルパイを食べ比べ

須藤公園でひと休みしたあとは、お待ちかねのスイーツ時間です。

実は、千駄木から谷中よみせ通りにかけてのエリアは、個人的に「アップルパイの名店が並ぶエリア」だと思っています。
今回は、千駄木の APPLE POCKETS さんと、谷中の マミーズ・アン・スリール さんのアップルパイを食べ比べてみました。

APPLE POCKETSさんは、文京区千駄木3丁目にあるアップルパイ専門店。
千代田線千駄木駅2番出口から徒歩約2分、千駄木3丁目信号前にお店があります。

一方のマミーズ・アン・スリールさんは、東京・谷中発のアップルパイ専門店。
公式サイトでは、「子どもたちのために家庭で焼いたアップルパイ」から生まれた、素朴で懐かしい「お母さんの味」と紹介されています。

どちらもアップルパイのお店ですが、実際に食べてみると方向性はかなり違いました。
一般的なアップルパイとは少し違い、どちらも「りんごをどう味わわせるか」に個性が出ているように感じます。

アップルパイ専門店 Apple Pockets

千駄木散策の途中で立ち寄りたくなるのが、アップルパイ専門店のApple Pocketsさんです。

こちらのアップルパイは、カスタードなどを使わず、りんごとパイ生地で勝負するタイプ。

紅玉やグラニースミスなど、りんごの品種ごとの酸味や甘みを楽しめるのも魅力です。
普通のアップルパイを買うというより、りんごそのものの個性を楽しむスイーツを選んでいる感覚があります。

実際に食べてみると、パイ生地は比較的薄く、主役はあくまで中のりんごという印象でした。
薄皮のパイ生地の中に、ぎゅっと詰まったりんごの果肉感を味わうタイプです。

サクッと軽い生地のあとに、煮詰められたりんごの甘みと酸味がしっかり広がり、かなり「りんごを食べている」感覚があります。

食べきりサイズで、散歩の途中のおやつや、ちょっとした手土産にも向いています。
ホールパイのように切り分ける必要がなく、いくつか種類を買って帰れば、「今日はどれを食べようか」と選ぶ楽しみもあります。

昔ながらのアップルパイを想像して食べると、少し違うと感じるかもしれません。
でも、りんごそのものをしっかり味わいたい人には、とても魅力的なアップルパイだと思います。
「りんごの違いを食べ比べできる」という点が、APPLE POCKETSさんらしさだと感じました。

  • 所在地:東京都文京区千駄木3丁目42-5
アップルポケット紅玉
アップルポケット紅玉

マミーズ・アン・スリール

続いていただいたのが、谷中の マミーズ・アン・スリール さんのアップルパイです。

定番のアップルパイは、公式サイトで「甘さ控えめな自家製カスタードの上に信州りんごをふんだんにのせ、サクサクのパイ生地で包んだ」商品として紹介されています。

私が特に印象的だったのは、中に入っている大ぶりのりんごの存在感です。

一般的なアップルパイというと、茶色く煮詰まったりんごを思い浮かべます。
ところが、マミーズ・アン・スリールさんのアップルパイは、中のりんごが白く、果実感がしっかり残っているのが特徴的でした。

自家製カスタードとりんごが自然に重なり、甘すぎず、やさしい味わいです。
特に紅玉のアップルパイは、白いりんごの見た目と、やわらかく酸味のある果肉が印象に残りました。

紅玉を生で食べたことがある方なら分かると思いますが、紅玉には、ふじのようなシャキシャキした甘さとは違う、酸味ときめ細かな果肉感があります。
その紅玉らしさが、アップルパイの中にも残っているように感じました。

昔ながらのアップルパイとは少し違いますが、白いりんごの果実感とカスタードのやさしさが合わさった、マミーズ・アン・スリールさんならではのアップルパイだと思います。

  • 所在地:東京都台東区谷中3丁目8-7
マミーズ・アン・スリール 紅玉のアップルパイ
紅玉のアップルパイ
マミーズ・アン・スリール 紅玉のアップルパイ
紅玉のアップルパイ

同じアップルパイでも、方向性はかなり違う

今回、APPLE POCKETSさんとマミーズ・アン・スリールさんを食べ比べてみて、同じアップルパイでもここまで印象が違うのだと感じました。

APPLE POCKETSさんは、薄皮のパイ生地でりんごの果肉感を前面に出した、りんご主役のアップルパイ。
一方、マミーズ・アン・スリールさんは、白いりんごの果実感とカスタードのやさしさが印象的なアップルパイ。

どちらも、一般的なアップルパイとは少し違う個性があります。
だからこそ、千駄木・谷中で食べ比べてみると、とても面白いです。

谷根千散歩の途中に、アップルパイを目的に歩いてみるのも楽しいかもしれません。

この記事で巡った谷根千のお土産

やなか珈琲千駄木店

アップルパイを手に入れたら、すぐ近くのやなか珈琲 千駄木店へ足を延ばしましょう。こちらの店舗でも、お好みの焙煎度合いに仕上げてくれた新鮮なコーヒー豆が手に入ります。お散歩のお供にテイクアウトコーヒーを注文するのもおすすめです。

  • 所在地:東京都文京区千駄木2丁目31-3

千駄木腰塚

ルートの締めくくりは、1949年創業の老舗食肉専門店千駄木腰塚へ。看板商品の「自家製コンビーフ」は、上質な和牛の脂が口の中でとろける、またとない逸品です。お土産にはもちろん、土日祝日に実演販売されることもあるホクホクのメンチカツやコロッケの買い食いも外せません。

  • 所在地:東京都文京区千駄木3丁目43-11